第31話

結局、他に空いている席が見当たらなかったので、4人は朝日の傍で昼食を取ることに。



純が頑として朝日の隣に座ることと、沙那を朝日に近付かせることを嫌がったので、彼の隣には祐也が座った。



朝日は祐也の顔をまじまじと眺め、



「……何か?」



男に見つめられてもちっとも嬉しくない祐也が、朝日を睨みつけた。



「いや……中性的な顔しとるなぁ思て」



「……」



朝日からの視線に耐えきれず、祐也は助けを求めるように純を見た。



純と一瞬目が合ったものの、



「……」



何も言葉をかけてもらえず、視線も逸らされた。



――せめてこの状況の説明くらいはして欲しいのに。



祐也の願いは、純には届かなかった。



「君ら2人って、付きうてんの?」



能天気な朝日は、落ち込んでいる祐也と、その向こう隣に座っている陽を交互に見た。



「めっちゃお似合いの雰囲気やけど」



朝日のそんな言葉に、



「!」



祐也は嬉しそうな顔をしたが、



「え? ちょっとやめてよ、想像もしたくないわ」



陽が思いっ切り顔をしかめる。



「ねぇ、榊。ありえないわよねぇ?」



そして、祐也に同意を求めた。

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