第27話
「それにしても……」
朝日は、ふと沙那の方を見る。
「純が惚れ込む女なんてどんなもんかと思ってたんやけど……えらい
「!」
朝日の言葉にすぐに反応したのは、純だった。
朝日から沙那を隠すように、2人の間に割り込む。
「君みたいな子も、俺のタイプやわぁ。俺の話も真面目に聞いてくれたし」
純が睨みを利かせていても、朝日は全く気にしない。
「君も大学生やんな? 何回生?」
「……2年生です」
学年の言い方が違うので、沙那は一瞬戸惑った。
聞き慣れない関西弁は、意味を理解するのに少し時間がかかる。
「ほな、今年で20歳になるんやんな? 今度、俺と2人で飲みに行こうや!」
「おい。勝手なことを
純が低く静かな声で、朝日を制した。
「純は誕生日がまだまだ先なんやから、俺と沙那ちゃんしか飲まれへんやん?」
朝日はヘラヘラと笑って言ったが、
「私も、誕生日はまだまだ先なので、瀬戸さんとはご一緒出来ません」
沙那は朝日に向かって深々と頭を下げた。
「沙那ちゃんの誕生日いつなん?」
「それは個人情報なので、秘密です」
真顔で答えた沙那に、
「俺、めっちゃ信用されてないやん!」
朝日は大ウケして笑い出した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます