第6話

「はぁ……やっぱりここの桜はキレ~イ」



式が終わって、ほとんどの新入生達が部活やサークルの見学に向かう中、沙那が見つめるのは自慢げに咲き誇っている桜たちだけ。



「お前……ここに何しに来てんの?」



そんな祐也の質問に、沙那はとびきりの笑顔で振り返り、



「満開の桜を見に!」



と自信満々で宣言した。



「……」



その沙那の笑顔に勝てるはずもない祐也は、ただ黙り込むしかなかった。



……と、その時。



「ん? 何、あの人集り……」



沙那が、キャンパス内の、校門付近に出来ている巨大な人集りを指差して首を傾げた。



「サークルの勧誘……にしては、何か大袈裟だよね?」



沙那の好奇心は、人一倍。



祐也はそれを知っているから、小さく溜息をついた。



「……見に行ってみる?」



その答えはもちろん、



「うん!!」



満面の笑みと共に返された。

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