第22話

どこか中性的な顔立ちをしてるこの人は、私が起きていることを確認するとどこかの王子様のようにきらきらと笑っていた。



髪の毛は緩くパーマをかけたようなフワフワの優しい茶色。さっきの秋と呼ばれていた人とは全くタイプが違った。


笑顔で私に近寄ってくると


「颯!怖がってるじゃん。震えてる」


そう言うと神様が私に伸ばしていた手を無理矢理下ろしてくれていた。



「んー。何から話そうかな。とりあえずおはよう」



そう言うとまた眩しいくらいの笑顔を見せてくれて…



「お、はよ…ござい、ます」



かすれ掠れなんとか出た声で私も答える。



「あっ、無理しなくていいからね。とりあえず自己紹介。こいつが浅見颯(アサミハヤテ)そんでこっちが…」



「石田秋です」


浅見さんの隣に立っていた彼はやっぱり飛ばされてたみたいで、うっすら口の端から血が滲んでいた。

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truth~若頭と眠りの女神~【改】 @sakura0214

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