第6話
「…っ!!!」
強烈な痛みに強制的に意識を引き戻されると、私は男に抱きかかえられ運ばれていた。
「悪いな。痛むと思うが今だけだ。
すぐ病院に連れて行く」
痛みに声も出なくて、体ももう動いてなかったと思う。なのに気づいてくれたことに驚いた。霞んでいた視界に、また少し周りの景色に色が戻り始め彼の顔を見ると
「か…みさ、ま?」
綺麗だった。
この世のものとは思えないくらい、私たちが普通に生活していたら出逢うことがまずない程きれいだった。
だから、きっと私を天国か地獄。とにかくあると言われる別の世界へ今から連れて行かれるんだと思った。
神様ってこんなきれいなんだね…
もう声も出なかったけど、最後に私はこんなことを思って意識を失った。
連れて行かれるのが“別の世界”であることは間違いないということを、この時の私はまだ知るはずもなかったんだ。
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