第37話
翔貴side
親父が部屋から出て行ったあと俺と綾人はこれからどうするか考えていた
「若、わたくしはもう一度、奥様のことを調べなおします。」
「あぁ、頼んだ」
「御意」
それにしても、なぜ親父は黒蝶のことを調べるなと言ってきたのかが気になる
親父はあいつとお前のためと言っていたが、親父は黒蝶の正体を知っているのか?
もし、親父が知っていたとしても親父から調べるなと言われたことを聞いても答えてもらえない
自分で探すしかない
そうと決まれば早速、動く必要があると考えながら親父の部屋を出た
部屋から出ると親父の側近の直人がいた
「大広間に食事の準備が出来ております。」
そういって直人は俺の前から立ち去った
大広間にに入るとすでに組員たちや親父たちが座っていた
俺も親父の隣に座る
「お前ら、新しい家族の葵衣だ。夕貴と同様に命がけで守れ!!!」
「おっす!!」
「乾杯!!」
親父の乾杯の音頭で組員たちは酒を飲む
女はそれをただいつものように見つめていたが
女の目が少し腫れているのに俺は気がついた
もしかして俺の知らないところで女は泣いていたのかと考える
俺が家にいるときは無表情の女が
なぜだ、あいつとは政略結婚で互いの間に愛なんてないはずなのに
俺はなぜか女の泣いているところを見れなくて悔しいと感じる
俺がこの気持ちに気づくのはもう少し後のことだった
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