第13話

私たちが会場に入ると一瞬だけ静まりかえるとすぐに賑やかになった


「なんなのよあの小娘。」


「橘はどんな手を使って近づいたのかしら。」


などさまざまな声が聞こえてくる


歓迎されないことくらいわかっていた


いくら同盟の組でも西宮組と橘では格が違いすぎるから


そんなことを思いながら翔一郎様と夕貴様がいるテーブルへと進んだ


「よく似合ってるわ。葵衣ちゃん」


「あぁ、昨日の白無垢も良かったがこの着物も似合ってるぞ。」


「ありがとうございます。」


そう今日の披露宴は着物が用意されていた


私的には半年前の火傷の痕が隠れるので着物でよかったと安心した


翔一郎様達と話していると父達がやってきた


「本日は、ありがとうございます。若、こいつは不束者ですが必要な教育はしてありますので何卒よろしくお願いいたします。」


そう言って頭を下げる父


「お父様、安心して下さい。お姉様がもし離婚されたら私がお相手しますから。」


そう言ってきたのは妹の莉愛


莉愛はかなり性格が悪い


幼い頃から私から何もかもを奪い取ってきた


私は何も言うことができずにただ笑って誤魔化した


父達が去っていた後は他の組の人達から挨拶を受け、最後にステージに立ちお礼の挨拶をして披露宴は無事に終わった

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