第10話

翌日、予定より少し早く着いた俺は部屋で一服していた


(コンコン)


「お連れ様がいらっしゃいました。」


スタッフがそう言って扉を開ける


「失礼いたします。」


そう言って入ってきたのは色白で黒髪の女と橘組組長とその嫁


「お待たせしてしまい申し訳ありません。」


「まあ、座れや。」


親父の一言で全員が座る


「若、お久しぶりです。本日はありがとうございます。ほらお前も挨拶しなさい。」


「初めまして。橘 葵衣と申します。」


「可愛らしいお嬢さんだ。私は西宮組組長西宮 翔一郎でこっちが妻の夕貴だ。今回は急な縁談を受けもらってありがとう」


「いえ、とんでもございません。逆にこんな私でよろしいのでしょうか?」


「いいわよ〜可愛いし、私も娘が欲しかったからあなたなら大歓迎よ。」


女の問いにお袋が答える


俺はいまだに親父とお袋が何を考えてるのかわからない


顔合わせも終わり、帰ろうとしたときに女から声をかけられる。


「これからよろしくお願いいたします。」


「言っておくが、俺は女が嫌いだ。必要以上に話しかけるな。」


そう吐き捨て部屋から出る


俺は元々、女というよりも他人が嫌いだ


親父の命令じゃない限り結婚なんてしない

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る