第32話

まぁ、でも、まさか、さすがにね。


孫くらい歳が離れてるし、いくら何でもあり得ないか……と、自己完結しながら2人をマジマジと見つめる。



そしたら筒地君と目が合い、ニッコリ微笑まれた。




見ていた理由が邪なだけに気まずくて、困ったように笑いながら、そわそわと目を逸らす。



その瞬間、後ろから盆で頭を叩かれた。




「痛……っ」


「ボサッとしてんな。早く準備しろ」


「はぁ?」


「開店に間に合わなくなるだろ」




皐月の冷ややかな声が頭上から降り注ぐ。



苛立ちを覚えながら振り向くと、ふてぶてしく眉を顰めた皐月と目が合った。




ムスッとしちゃってメチャクチャ機嫌が悪い。


しかも言うだけ言って、さっさと作業場に引っ込んでいった。



もー!何?


いきなり叩いて逃げるなんて失礼すぎるでしょうよ。


昨日の照れていた皐月はドコに行った⁉




「ちょっと、皐月!」



腹が立ってしょうがなく、追いかけようと足を一歩踏み出す。



しかし、仲良しキャンペーン中だったのを思い出してヤメた。



帰ったら覚えておきなさいよ!の心境だ。



どうせ、またすぐに寝室に行っちゃうんだろうけど。

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