第25話

あまりの照れっぷりに拍子抜け。深夜の野獣っぷりが嘘みたいだ。



ついつい村田の顔をポケーッと見てしまう。




「昨日のアレはいったい何だったの?」


「いきなり女を出されて爆発した」


「ほほーう」


「ごめん。彼氏がいるのに」


「いや、その彼氏も今頃他の女と裸でイチャイチャ中だから」


「バカじゃん。早く別れなよ」




大真面目に答えた私に村田は眼鏡の位置を正して苦笑いを零す。



いつもなら即答で“それが出来れば……”って返すところだけど、何だか言う気になれない。



寂しさと虚しさが胸に走り、ごまかすように「はは…」と笑った。



ちょっとだけ、そうした方がいいのかなって考えてる。



何の抵抗もなく貴ちゃん以外とできる自分がいた。



本当に好きだったら、さすがにしてない。



開き直るには充分過ぎる。

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