第7話

「えー、あっくんと瀬戸内は付き合ってるって嘘だけど?」




しかし、早川君はキョトンとした顔を私に向けてくる。




信じられない、って顔をしているけど、信じられないのは私だよ。




どうして、そんな噂が出回ってるんだか。




「ないない。絶対ないから」




って別にありえないわけじゃないけど、首を横に振った。



もし、あっくんが私を好きだったら間違いなく付き合いたいと思うもん。




だって、私はあっくんが……。




「どうだっていいし。早くしろ」




モヤモヤと考えていたら、あっくんが顔を歪めて私の頭を叩いた。



結構、強め。



冗談にしたって酷すぎる。




「痛ーいっ…!!」



「お前の番だし。早くしろよ」




何がそんなに気に入らないんだか……。



あっくんは頭を擦る私をガン無視して、次の牌を早く取れと私に顎で指し示す。



いつもは甘えたなくせに‼



えらく不機嫌だ。




何なのもう……。




少しイライラしつつ、言われた通り新しい牌を手に取る。


 


やっぱり、ヤメた。



あっくんとだけは付き合わない、と心の片隅で思う。




暴力的な男なんて絶対に嫌だもん。




付き合うなら優しい人か、ハードボイルドな人に限る。




並べたら全く真逆なタイプだけど………。

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