第28話

玄関のドアがパタンと音を立てて閉まる。


余りにもキッパリサッパリとした口調で言われ、思わず「はい」と答えてしまった。


心の中のモヤモヤが完全に無くなった訳じゃないけど、少しだけ安心する。




「大体、裏があろうが無かろうが腹ん中がスケスケつ筒抜けだろ、お前は」


「うっ」


「ほんとお前と居るとすばると居るみたいで気が抜けるわ」


「……お兄ちゃんにもチューしたりしてたんですか?」


「アホか。きめぇこと言うな」




軽くふざけてしまった私に先輩は靴を脱ぎながら苦笑いを零す。



確かに嫌だ。


先輩とお兄ちゃんがキスしてたら色んな意味でショックだ。


別の人ならいいけど、この2人にはして欲しくない。

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