第32話

そう思ったら人が心で描く他人の人物像なんてもんは、いい加減で自分勝手なものだなと思う。



“この人は優しそう”ってイメージを持つと優しい部分が目につくようになるし、“意地悪そうだ”と思うと陰険な部分が目につくようになる。



イメージ通りの人にしたい、と言った方が正しいかも知れない。


本当の性格を知る前に、先ずは自分が心に描いたキャラクターとの共通点を探してしまうのだ。



だから優しそうな人の優しい部分を見ると、やっぱりイメージ通りの人だったのね、と強烈に思うし、納得する。


自分が作り上げた人物像と相手の行動が一致すると、それが偽物であろうと本物に思えるから。

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