第31話

それに何処に行ったって必ず1人は居るのだ。



あいつはダメだあれは悪だ仲良くするなと吹き込む人間が。


自分が悪役になりたくないから他人を悪役に仕立てる、自分が書いた台本通りに人を動かす、愚かで酷くてずる賢い人間が。



しかも人はそういう人間が吐いた嘘を簡単に信じ込む。


詐欺師に引っ掛かるようなもの。


人を騙すことにこなれた人に嘘と事実を交ぜて話されると何もかも事実のように思えるのだ。



もうそれこそ少しの要素が見えた途端、それが答えであるかのように思い込む。


それが勘違いであったとしても、だ。


欠片でも納得する部分があると、その人の中ではそれが事実になってしまう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る