２

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「ぎゃゃぁぁぁぁ！マーマー！お姉ちゃんが！お姉ちゃんが！怖いぃぃぃぃ」

凄まじい勢いで子供が泣き叫ぶ。

伊那君と食事に行った夜から数日後の出勤途中。

もう少しで会社に着くかなってところで飛び出してきた子供にぶつかられた。

子供の与えた衝撃なんて可愛らしいもの。

元気だなーくらいにしか思わなかったんだが、どうやらタイミングが悪かったらしい。

よろけた拍子に自転車に轢かれ、地面に足を強打し、痛みに悶える羽目になる。

それでも咄嗟に「大丈夫？怪我はない？」と起き上がって子供に聞いたのだが、それがいけなかった。

痛みを我慢する余り顰（しか）めっ面になってたみたいで目が合った瞬間に冒頭の通り泣き叫ばれたのだ。

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