第28話

「こっちこそ…、」


「あー!居たぁーっ!」




ありがとう…、と言おうとした瞬間、2人組の気の強そうな女の子がコチラに向かって走ってきた。



ヤンキーかギャルか見分けがつかない派手なメイクに服装。



随分、怒った顔をした彼女達はクゲ君の目の前に来ると仁王立ちで立ちはだかった。



傍に来るなり「逃げ回ってんじゃねーよ!」と、いきなり平手打ちをしててビビる。




「え…、」



惚けた声しか出ない。


何が起こった?って感じ。


隣でオロオロしてたけど、2人はクゲ君しか目に入らない様子だった。



とにかくブチギレ。



どうすることも出来ず、行き場を失った視線を横に向けると、2人が最初に居た辺りに煙草やら空き缶やらが散らばっていた。



察するに朝から学校の前で待ち伏せしてたらしい。



クゲ君を捕まえる為に。

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