第27話
「ごめん。ありがとう」
「いーえ」
「明日返すから」
「うん」
申し訳なさそうな表情を浮かべるクゲ君。
この間買ったお茶代も直ぐに返してくれたし、今回もきっとそうだろう。
そんな思いを抱きながら、お会計を済ませてコンビニの出入り口へ。
お店を出る瞬間、同じ大学の生徒にガン見されたけど、軽く無視。
気にしてたら、きりがない。
「キリちゃんって優しいね」
「そう?」
「うん。俺の変な噂も信じないし」
外へ出たらクゲ君がしみじみと語った。
人の視線を気にせず、普通に接してくれて嬉しい、仲良くしてくれてありがとう…って寂しそうに。
どうやら話を聞いてるとクゲ君は自分の噂を結構気にしてるようだった。
あんまり出回っていないような噂も1つ1つ全て把握してる。
普段のあのケロッとした感じは、ただ気にしていない振りをしてただけなのかな。
そう思うと何だか無性に可哀想な気持ちになる。
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