不安

第26話

「うわ、最悪。財布、忘れた…」




早朝の大学前のコンビニ。


私の前に並んでいたクゲ君がレジの前でオロオロする。



買おうとしていたのはメロンパンとジュースとお菓子。


昨日は給料日だったからと珍しくコンビニで買い物しようとしたら、家に財布を忘れてきたらしい。



ドジっ子。




「立て替えとくよ」


「いや、いい」


「遠慮しないで」


「ダメだって。女の子にそんな…」


「気にしなくていいよ」  



これくらい、とレジのお兄さんにお金を渡す。



正直、混んでるからこれ以上後ろを待たすのは気まずくて嫌だった。



やっぱり要りませんってのも、何だか後味が悪いし。


そんな思い。

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