第29話
「俺、やっぱり行かない。ここに1人で残るから」
手をギュッと握り締めて、俺は母さん達の目を真っ直ぐ見つめて言い切った。
祐希の傍にいるって決めたから。
何があっても。
「やっぱりその話か」
父さんもマグカップを置いて真剣な顔で俺を見つめる。
「父さん達に迷惑をかけることになるのはわかってる。それでも……」
「もういいから」
「……え?」
ふと真剣な顔を崩した父さんに疑問が募る。
「でも……」
「残りたいなら残ればいい」
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