第8話

叩かれた方の肩が熱く感じる。




それがどうしてなのかは分からなかったけど。




「えぇー?分かんなくね?俺、最初18歳ぐらいだと思ったし。」



晶人がまた大袈裟に驚いた表情を作って見せる。




確かにそうだ。




目元や肌を見ただけで中学生だって気付くとは思わない。




冗談……それとも凄く女慣れしてるとか?




疑問が頭をぐるぐる廻っていく。




「あぁ、俺の妹も中学生だからかな?」




裕也さんは惚けたように肩を竦めて笑った。




"俺の妹も中学生だから"




それが本当なのか嘘なのかは分からないけれど、その子供っぽい無邪気な笑顔が目に焼き付いて離れない。





「嘘だろ?お前に妹がいるとか初耳だし。」




「あぁ。お前に言ったら紹介しろだの煩そうだからな。」




「おぉ!紹介しろよ。」




「断わる。」




裕也さんと晶人さんは冗談を言い合って笑いあっていたけれど、私は裕也さんから目が外すことが出来なかった。

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