第6話

一言で言えば"冴えない男"って感じの人。




服装だって普通だし、髪型も個性がない。




顔は普通。




何処にでもいそうな平凡な男。




ただ、丸くて優しい眼が凄く印象的だった。




「あ、この子里恵子ちゃんって言うんだって。今、ナンパしてたとこ!」




晶人が笑顔でその人に軽い感じで言った。




ナンパしてたこと言うんだ?って少し驚いた。




まぁ、年齢さえ言わなければ問題ないもんね。




その人は暫く私をじっと見た後、晶人を見て呆れたようにため息をついた。




「ナンパってお前この子中学生だろ?」




その人は、怪訝な顔を浮かべてまるで知ってるかのようにサラっと言った。




「……え?」




当たり前のように言われた言葉が凄く衝撃的だった。




どうして中学生だってことがバレてしまったのか分からない。




今まで中学生だと見抜かれたことは1度もなかった。




何処かで会ったことがあるとか?

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