第33話

ほんと、カンナは全然わかってない。



自分の行動や言動1つでどれだけ俺の心を揺さぶるのか。




「カンナ」



「え……?」





もう衝動を抑え切れずに、カンナが俺を見上げた瞬間キスをした。



触れるだけの軽いキス。



人目もある場所だし、嫌がるかなと思ったけど、カンナは目に涙を溜めたまま、照れたように頬を染めて俯く。



可愛いすぎだし……。



そのうち萌え死にさせられるかも知れない。





「……ごめん。嫌だった?」



「嬉しかった」




即答で返されて笑ってしまう。



さっきまで泣いてたくせに、今はもう満面の笑みを浮かべてる。



素直すぎ。

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