第28話

「部屋の中を綺麗にしてたら、一緒に住んでくれる?」



「無理。ってかあんたには出来ないんじゃない?」




部屋の中を片付けながら、智明をチラっと睨む。





「いやいや、さっちゃんの為なら何でも出来るよ!」



「何でも出来るなら、私が来なくてもいいように、自分で自分のことは出来るようになって」





洗濯物を洗濯機に放り込みながら智明に淡々と言い捨てる。



けど、智明は反省するどころか後ろから抱きついてきた。




こいつは本当に……っ!





「変態野郎っ!」




智明の行動にムカついた私は、思いっきり智明の頭を殴った。




油断も隙もない。





「痛ってぇっ!殴らなくてもいいだろ?」



「あんたが抱きついてくるからでしょうが!」



「だって抱きつきたかったんだもん」





何が『抱きつきたかったんだもん』だ。



怒りで体が震えてくる。





「あっそ。じゃ、もうここには来ない」




だいたいコイツの世話をする義理なんて私には無いし。

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