しつこさ最上級

第27話

他の部員にも挨拶が一通り終わった私たちは、剣道場を出てスーパーに寄って帰宅した。




帰宅したって言っても智明の家の方に……だけど。





「はぁー。あんたさ、どうすれば1日でこんなに汚れるの?」




智明の家の中に入った瞬間に落胆する。




部屋の机に乱雑に置かれた雑誌。



飲みかけのジュース。



ベッドの上に散らばる脱ぎっぱなしの服。




昨日掃除したのが嘘のように散らかってるし。




毎日毎日、うんざりだ。




ため息をついて眉をしかめた私に智明は悪びれた様子もなく、笑みを浮かべてベットに寝転がった。




「んー。どうしてだろ?さっちゃんが一緒に住んでくれたら汚れなくなると思うよ?」



「1日中掃除させるつもり?無理拒否。家の中でまでストレスを溜めたくない」




この台詞も何度目だろう?



毎度の如く、智明は私に『一緒に住もう』って言ってくる。




結婚をせがむエロジジイか!




絶対に嫌だ。家の中は憩いの場でありたい。




智明と一緒に住んだ日には、ストレスでハゲてしまう。

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