第26話

「もう!お兄ちゃん恥ずかしいから止めて!あ、玲奈です。宜しくお願いします」




自己紹介しながらペコって頭を下げる玲奈ちゃん。




やっぱりハムスターに見える。




私が同じことをしても絶対にこんな風に可愛くならない。



本気で羨ましい……。




「須山紗理奈です。宜しくね?」




そう挨拶を返したら玲奈ちゃんはニッコリ笑ってくれた。




そりゃもう破壊力が凄い。



周りにいた部員の目が輝く。




「あ、宜しく」




智明はそんな男子たちを見つめながら、玲奈ちゃんに素っ気なく挨拶をした。




いつも誰にでも愛想がいい智明にしては珍しい。




もしかして、タイプとか?



ドストライクにタイプ過ぎて緊張して話せないのかも知れない。




そりゃ、こんなに可愛い子って滅多にいないもんね。




ついに智明にも春が到来か?




うん。喜ばしいことだ。



智明に彼女が出来れば私にまとわりつくことも、無くなるだろう。



そうなれば……この面倒くさい関係とも、おさらばだ。




早く智明に彼女が出来ればいいのに──。

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