第6話
そりゃ、朝からうざいテンションで絡まれたら誰だってムカつく。
それに、私はコイツのせいで1人暮らしをする羽目になったんだ。
腹が立たないわけがない。
だいたい、1人暮らしって聞こえはいいけど結構面倒くさい。
実家に居るときはお母さんがやってくれていたことも、全部自分でやらなきゃいけないし。
それもこれも全部……
「智明のせいだからね!!」
気持ちが昂り、手をギュっと握り締めて、思いっきり叫ぶ。
智明は驚いたのか目を見開いて呆然としたまま何も言わない。
廊下には険悪なムードが漂う。
沈黙が続く中、エレベーターの無機質なチンって止まる音だけが周囲に鳴り響いた。
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