第5話

「さっちゃん制服似合ってる!」



「だからなに?」




冷たく返事をしても、隣に並んでニコニコ笑いながら私の顔を覗き込んでくる智明。




朝からこのテンション本気でしんどい。




たたでさえ低血圧なのに。




「冷たっ!さっちゃん冷たいっ」




智明は私の態度が気にくわなかったのか、大げさに後退りをしながら、早朝の廊下で『うわぁーん』なんて泣き真似を始めた。




「煩い。朝から近所迷惑だ!!」




智明に注意をしながらエレベーターのボタンを押す。




本当に朝から迷惑極まりない。




「さっちゃん怒ってる?」



「怒ってるよ」




おどおどしながら聞いてくる智明にチラっと冷たい視線を送る。

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