第4話
「家の中にあんたを入れるわけがないでしょうが。待たなくていいから1人で行けば?」
「え?嫌だっ!さっちゃんと一緒に登校するし、家にも入る!」
智明は泣きそうな顔で叫んで、あろうことかドアの隙間に足を突っ込んで、部屋の中に無理やり体を押し込んできた。
中に入り込もうとする智明の体を必死に外に押し返す。
けど、やっぱり体格差があるせいで押し返しきれない。
いい加減……鬱陶しい……。
なかなか引く様子を見せない智明がうざくて、眉間に皺が寄ってくる。
「3秒以内に止めなかったら、往復ビンタするけど」
「は、はい」
キッと智明を睨んだら、智明は大人しくスッと体を引いた。
「よし。さっさと学校に行こう」
智明の返事に気分を良くした私は家の鍵を閉めて、智明を放置して廊下を歩き始めた。
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