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◇◇◇


 一週間後の夕方、仕事を終えた私は再び空港へ赴いた。

 クリーニングに出していた琉輝さんのスーツの上着とハンカチを返すために。


 先ほど琉輝さんには会社に届けるとメッセージを入れたけれど、仕事が忙しいのか既読が付かない。

 仕方がないので、私はスターレイルエアのサービスカウンターに立ち寄ることにした。

 空港での実務を担っているスターレイル・エアポートという会社だと言っていたから、おそらくここにいるスタッフは彼の同僚だろう。


「あの、すみません」


 カウンター内におずおずと声をかけると、綺麗な営業スマイルを貼り付けた女性スタッフが対応してくれた。


「白川といいます。こちらの会社の鳴宮なるみやさんにこれを渡していただきたいのですが」


 ペーパーバッグを掲げながら伝える私に、女性は一瞬考え込んだあと再び私に笑みを向けた。


「鳴宮……どちらの部署かわかりますか?」

「え、部署……」


 そこまでは聞いていなかったから返答できずに困ってしまう。こんなことなら名刺をもらっておけばよかった。

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