第32話

「……とりあえずセーフ?」



「うん。また明日、怒鳴り込んでくると思うけどね」



「じゃあ、大丈夫だよ!明日はサナちゃんと遊びに行くもん」



「サナ?あぁ、野崎さんか」




ナオはボソッと呟くと眠そうに目を擦った。



布団をスッポリ首元まで被って完全に眠る体制に入ってる。





「ナオ、もう寝るの?漫画は?」



「……起きてから読むつもり。今日はもう疲れたから寝る……」




小さな声で返事をしてくるナオ。



それは明らかに瞼が重くなってきている状態で。




急いで部屋の電気を消して、滑り込むように私も布団の中に潜り込んだ。



ナオが寝ちゃう前に、気になっていたことを聞かなきゃ……。




「ねぇ、さっきはどうしてムキになってたの?」




ナオの肩を揺すりながら聞く。



ショウにキレられている間もずっと気になってたんだよね。



親戚同士のキスもカウントに入るって、ナオがムキになって言い返してきたこと。




理由を教えてくれなきゃ私が気になって眠れない。

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