第27話
体に回された腕にギュっと力を込められて思わず顔が熱くなってくる。
トンっとナオの胸板に頬っぺたが当たって温もりがシャツ越しに伝わってきた。
いやっ。恥ずかしいっ。
ナオったら、どうしてショウの前でこんな…破廉恥なことを……。
心臓の鼓動が速まってくる。
「あ、もしかしてナオって本当は私のことが好きなの?」
これって独占欲からくる行動?
“カンナは俺のもんだぜ!”みたいな?
いつもの意地悪は照れ隠し?
やだー!ドキドキするっ。
にやけそうになる口を押さえて、そっと顔を上げてナオの顔を覗き込んでみたら、ナオは冷めた目で私を見つめていた。
「まぁ、よくそんな自信満々に恥ずかしい発言が出来るよね。普通、心の中で納めとくでしょ」
「えー。だって、こんな行動をとる理由ってだいたいそうじゃない?」
「普通にショウをからかっただけなんだけど。ひくわー」
自信満々に言う私にニコリとも笑わず、ナオはドン引きした顔で私の体を押し退けてきた。
なんだぁ……。違ったんだ。
つまんないの。
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