第6話
乙女マジックが効いたのか、効かなかったのか……。
「はっ。そうかよ。もういい。さっさと帰るぞ」
ショウはバカにしたように鼻で笑うと、私に背中を向けて足早に歩き始めた。
「ショウ。待って~!」
小走りでショウを呼び止める。
急いで追い掛けたのに歩くスピードは早いし、歩幅が違うせいで全然追いつかない。
でも、ショウは振り返ることなく黙々と歩いていく。
「ねぇ、ショウってば……」
少し大きめな声で呼んでみた……けど、全く振り返らない。
ショウの身長は175cm。
私の身長は148cm。
って事は……。
(175-100)─(148-100)=27
歩幅の1歩の差が27センチ。
10歩だと2・7メートル。
100歩だと27メートル。
えぇ~。疲れる……。
こうなったら仕方がない。
意を決した私は、郵便局を越えてタバコ屋さんがある曲がり角を曲がろうとしていたショウに向かって、息を吸い込み大声で叫んだ。
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