第4話

「ばか、ばか、ばかー!」




ショウの背中を軽く両手で何度か叩いて抗議した。



ちょっとは反省してよね!って意味を込めて。




でも、ショウは私を無視して店員さんからケーキの箱を受け取ると、そのまま自動ドアの開くボタンを連打してさっさとお店を出て行ってしまった。





「待って。置いて行かないで!!」




慌ててショウの後を追い掛ける。




お店から出たら外の熱気が一気に押し寄せてきた。



夏休み真っ只中の8月初旬。



蝉が鳴き叫ぶ……。





「お前がトロいんだよ」




お店から2、3件隣の判子屋さんの前まで歩いていたショウは、振り返ってニヤリと笑みを浮かべてきた。




いつも私に意地悪をした後に見せる顔。



オジさん譲りのつり目に笑い皺が出来る。




同級生のショウは幼稚園から高校生になった今でも、ずっと私と同じ学校。



ついでに言うと、小学3年生くらいから毎日のように私を……。




「本気でトロいし。壊れかけのロボットか?お前は」




苛めてくる。

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