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「瑠衣と結婚して、今日で一ヶ月だね」


「うん。世那と結婚できて、幸せだよ」


 真っ直ぐ、私の目を見て話してくれる彼は、私のことをいつもどんな時も愛してくれた。


 瑠衣が私の、たったひとりの最愛の人。



「私ね、今夜だと思うんだ」


「……そっか」


「ごめんね。こんな、寝ているしかできない妻で。私、最期くらい綺麗な格好で瑠衣と過ごしたかったんだけどね、もう、無理みたいなんだ……」


 病魔による身体の痛みも苦しみも、薬によって取り除いているはずなのに、死というものに向かっていくこの不思議な感覚には抗えないみたい。



「何言ってるの。世那より綺麗な人は見たことない。今も今までも、世那はずっと綺麗」


 学校や職場では、"王子様"と呼ばれるくらい、整った顔をした彼が、うっとりとした表情で私を見つめていた。


 この人のこんな表情は、私しか知らない。


 今までもこれからも、私だけのもの……。




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