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「世那。ただいま」


 頭をふわりと撫でられた気がして、目を開けると、仕事が終わって帰ってきた彼が優しく微笑んでいた。


「おかえりなさい。瑠衣」


 彼が仕事から無事に帰ってきてくれたことが嬉しくて、起きあがろうとしたけれど、もう自分一人の力で起き上がるのはしんどくて。


 それを汲み取ってくれた彼に支えられるようにして身体を起こした。



「瑠衣。瑠衣……」


「どうしたの?今日は甘えん坊だね」


力が入らないながらも、きゅっと瑠衣の腕を掴み擦り寄ると、そのままキスをねだった。



「世那は、今日もかわいい」


 彼は嬉しそうに笑って、キスを落とした。


 瑠衣がくれるキスは甘くて、優しくて、ふわふわして、あったかくて、幸せ。




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