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「あのさぁ、世那って頭が良かったの覚えてる?大学も瑠衣と並んで首席合格だったんだけど」
「……ああ、もちろん覚えてる」
世那は、頭が良くて美人で、容姿端麗という言葉は彼女のためにあるのだと思えるほど、全てが完璧な人だった。
「その世那が、仮に愛子に嫌がらせをしていたとして、そんなすぐに自分がやったとバレるようにやると思う?」
「……それはっ、」
「全部、愛子の自作自演。あんたを世那から奪うためと、女子アナになるためにどうしても欲しかったミスコングランプリの肩書きのために」
「……なんだよ、それ」
じゃあ俺は、一体何を守っていたんだよ。
俺はただ愛子の思惑通り騙されて、一緒になって世那を傷付けていただけだったっていうのか。
なんだよ、それ。そんなのって……。
その事実を受け入れた途端、手足の震えが止まらなくなって、その場に膝から崩れ落ちた。
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