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「それってさ、全部、世那がやったところを自分で見たからそう言ってるんだよね?」
「……それは。ケーキの時、だけ」
世那がやったところなんて見ていない。
ケーキをひっくり返した、というのも、世那が一番最初にその現場にいたから、犯人にされたようなものだった。
「で、でも。世那の鞄に愛子のものが入っていたら普通に疑うだろ。それに電話もメールも俺が確認した。世那の番号からの着信、アドレスも世那のものだった……!」
世那に嫌がらせをされて泣いていた愛子。そんな愛子のことを、常に軽蔑するかのような目で見ていた世那。
そんな世那から、俺が愛子を守ってあげなければいけないと思って、世那とは別れて愛子と付き合った。
愛子は、俺を必要としてくれて、助けられたと喜んでくれたし、世那が酷い性格をした人間だと知って別れることができて、それで良かった。良かった、はずなのに。
なんで俺、こんなに必死になってるんだ?
そんな俺に、希美は憐れむような視線を向けると、大きくため息をついた。
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