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 朝食を用意していると、彼が起きてきた。


 彼は真っ先にテレビをつけると、いつものニュースをかけ、自分でコーヒーをマグカップに淹れてソファに座り、画面に映る最愛の人をみて頬を緩めている。


 新人女子アナ古川愛子。彼の愛する人。


 彼女は同い年で、私も同じ大学だった。



『今日もいい天気ですが、全国的に寒くなるようです。こんな寒い日は温かいおでんが食べたくなりますね〜!』


 テレビから聞こえてくる、綺麗な声。


 でも、この人の本性を知っている私からしたら、こんな声はただ耳障りな高い声。


 画面を横目で見れば、可愛らしいという言葉がお似合いな男ウケ抜群の古川さんが、少しのフレッシュ感を醸し出して映っていた。




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