第30話

「ぷっはあ~、運動の後のアクエリは美味いよねえっ」


「いやっ、コーラだろっ」


「アクエリだろっ!」


「やんのかっ!?」


「やらいでかっ!?」


そんな2人のやりとりを見てた澪は、笑いながら声をかける。


「2人とも元気だねえ。

 あんなに動き回ったのに。

 それより、あたし1人で帰れるから大丈夫だよ?」


「万が一の事があったら大変じゃん。

 彼氏も迎えに来れないんでしょ?」


「あ~、うん、まあね……」


「佐山さんの家って、学校から1つ目の駅だっけ?」


「うん。

 駅からすぐだよ」


「そっか、解った。

 ありさ、ありさのメット佐山さんに貸してあげて」


「乗せてくの?」


「いちいちニヤニヤすんなっ。

 電車より早いし、問題ないだろ。

 とりあえず、ありさの家行こ」


3人でありさの家に向かう。

家に着くなり、美咲は足早に車庫の方へ向かった。

待っていると、バイクを押しながら此方に向かってくる美咲。

フルフェイスのシールドを上に持ち上げ、笑顔を浮かべている。


「お待たせ、佐山さん」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る