第36話
有り得ねぇ、俺の顔は無事か!?と声を張り上げた剣が、慌ててスマホのインカメで自分の顔を確認し始める。
あんたが確認すべきは顔より脳みそだよ。
「嘘でしょ?」
「何がだよ。」
「あんたみたいな知能指数が底辺そうな人間が、真白の彼氏だなんて嘘だよね?って聞いてんの。」
眉間に皺を寄せて問い詰める人物は、どんな表情をしていてもとても可愛い。
何なの、何を食べて育ったらそんなに可愛くなれるの???
「あ?誰が嘘なんて言うかよ!!!」
ついさっき、私の旦那だって嘘ついてただろ。
「俺は真白の恋人だ。」
「…可哀想、妄想癖があるんだねあんた。」
「おいどうやらお前俺と全面戦争してぇらしいな?あん?顔は滅茶苦茶可愛いけど性格腐ってやがるな?あん?」
「アンアン煩いな、発情期なの?」
え、正解。大正解。
この男は春夏秋冬関係なしに発情期なの。
額に青筋を浮かべている単純な剣に対し、鼻で笑い飛ばして長い髪を搔き上げる美人。
「真白、こいつ一体何者なんだよ。こんな性格の悪い女見た事ねぇぞお前以外に。」
「とりあえずぶっ殺すよあんた。」
何サラリと私の事もディスってんだよ。
自分の性格悪い事くらいね、こちとら生まれた時から悟ってんのよ。一々改まって突き付けるの止めろ。
「はぁ……。」
深い溜め息を落とした私は、頬を膨らませている美人に一度視線を向けてから、本能のままに生きている恋人を自分の瞳に映した。
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