第11話

はーいもうこの方は存在自体が18禁でーす。



夢月から溢れ漏れている色気が、思い切り私に襲い掛かる。





ジーザス。


顔面が素晴らし過ぎていくらでも見ていられそうだ。





「ちっ、隙あらば真白に近づきやがっていい加減にしろよ。」




図体の大きい宵を引き剥がしたらしい剣が、余裕な笑みを湛えている夢月を睨んでいる。




ガタガタガタ



ダイニングテーブルからはまたもミシンの音が轟き始めている。




おいおいおい今日の作業は終了じゃないのかい。


沖田洋裁店はそろそろ閉店の時間じゃないんかい。





まだまだ静かになりそうにはないこの場に、帰ってしまおうかと本気で思う。



……実は、今夜私は剣の家にお泊りをするという目的でここを訪れているのだ。




そ、そりゃあセックスするのはまだ早いとは思うけど、念のため、念のため!!!もしそういう雰囲気になった場合を想定して可愛い下着を身に纏って来たし、ボディケアもしてきた。






「寂しいと思っちゃ悪いのかよ、真白ともっと一緒にいてぇし一緒に眠りてぇ。毎日俺はそう思ってる。」



付き合ってからというもの、生徒会が激務を極めていて全然剣と過ごす時間がなかったある日、頬を紅潮させながら目を泳がせまくった相手が私に告げて来た言葉が脳裏を過る。






くっ…めちゃくちゃ端麗な顏でめちゃくちゃ可愛い事言ってくれるなおい!!!!!




必死に想いを言葉にする剣を前にしたこの時の私の心情は、実に荒ぶっていた(馬鹿)

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