第28話

こちらに来てから二日。

暁さんの家で過ごさせてもらった。


生まれ育った家では環境が厳しくて何をするにも窮屈だったけど、あちらとは違って、此処はとても安心出来て心から寛げる…。


暁さんとはまだ出会って三日なのに、不思議だ。




「さて、ここの504が二人の部屋だよー

鍵はこれね、暗証番号は二人の誕生日入れといたから下の玄関で番号忘れないように入れてね。番号入れないとドア開かないから!」


「はいっ!」


「はーい」


今日から、私達は暁さんの用意してくれたマンションに住むことになった。




「さて、まぁこんなものかなぁ。

…あ、二人は今高一くらいだったよね?」


「「…?はい」」


「そっか、じゃあ今は夏だから…

そりゃ忙しい時に連れてきちゃったかな。」


「…でも。この時期で良かったかも。多分耐えられなかったから」


「…そっか。あのね、あたしや樂たちの母校、白鷹(はくおう)高校に行ってみない?…校長とは知り合いだし。話通せるよ

まぁ、もうそろそろ夏休みなんだけどね?」




「行ってみたい!」


暁さんの言葉に、美織が素早く反応した。




「どうしたの。なんか嬉しそう…」


「だってだって、巴衛と同じ高校に行けるんだよ?そりゃ嬉しいよっ!」


「…あ、そっか。一緒に、…そっかぁ。

…私も、行きたい。暁さん」



「分かった、じゃあ話通しとくね。

…あ、一応面接はあるかもだけどそのへんは覚えといて」



「「はい」」






“一緒に”その言葉を噛み締める。

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