第2話
地域に近づくに連れて体が重くなってきた
空気が淀んでいる
「蓮伽さん、何か感じますか?顔が渋いけど」
「うん、思ったより重いから」
「重い?あ、空気?」
「そう、前回来た時より色もあんまり良くなくてね...」
稲垣さんがミラー越しに反応する
「.....そうなんですよ、中居さんの元彼さんの動きが不自然」
「不自然?」
「中居さんに気を付けておくように言われ、行動を注視していたのですが.....人を集めてセミナーみたいなのを頻繁にしていて」
「セミナー.....」
「セミナーって、気持ち悪くないですか?カルト的な匂いが」
深澤くんが怪訝な顔をする
「確かに....それって、私、見に行くことできそうですか?」
「蓮伽さん?!」
深澤くんが声を張り上げる
「そんな大きい声を上げなくても(笑)」
「い、いや、潜入みたいなこと....」
「だって、詳細が全然わからないから、自分で体感しないと思って」
稲垣さんが遮る
「私も詳しくは分からなくて....、人を集めて何かしてるくらいしか情報がないのです。中居さんとも明日久しぶりに会うのでその時に話そうかと」
「そうですか、そしたら明日詳しい事を情報の共有をして行動していく事になりますね」
「はい、後で岩本さんにご連絡するって言ってました。混んだ話は会ってからじゃないと処理しきれないので」
「確かに、ではそうしましょうね」
「すみません、もう着きますよ」
・・・・・・・・・
滞在する宿泊施設に到着した
「.......懐かしいですね、何か緊張感なくて申し訳ないですが心が躍ってしまいます(笑)」
深澤くんは、とてもワクワクしている
直接やらなければいけない事があるわけではないので深澤くんにとってはほぼ旅行(笑)
ま、もちろん色々とフォローしてもらう事になるので遊ぶ時間はないのだが
「前回と一緒ですが、今回は滞在が長いので車を用意してありますのでお使いください。ベッドメイキングと清掃は必要に応じて致しますので都度フロントにご連絡を。そして、こちらをどうぞ」
カードを一枚渡された
「生活に関係する買い物は全てこのカードをお使いください。現金を使用の場合は、領収書で精算致しますので」
「徹底していますね(笑)」
「(笑)中居さんからの指示ですが、こちらがお願いして来て頂いてるので当たり前の事ですよ」
「ありがとうございます、さすが中居さん気遣いがすごい」
ちょうど、中居さんから連絡が入った
「はい、岩本です。」
「岩本さん?中居です。宿に着いてる頃だと思って、」
「お疲れ様です、こんばんは。今、稲垣さんに説明をしてもらっていたとこです」
「そうでしたか....」
・・・・・
明日、こちらで話し合いをする確認をして電話を切った
「岩本さん、深澤さん、何かありましたら私に言ってくれれば対処しますので、」
「稲垣さんありがとうございます、了解しました」
一通りの話を終えたので、切り出した
「稲垣さん、立ち話でなんですが....」
「?」
「中居さんとは....どうなってますか?前回お会いした時より、オーラの色は穏やかですが薄いので気持ち的にはざわついたままな感じなのかなと」
「......、明日、中居さんからお話もあると思いますが、関係自体は変わっていません」
「.....そうなんですね、辛いですね。でも、前回よりは穏やかさを感じるけど...?」
「・・・さすがです、そうなんです。あれから、ちゃんと話しができたのでそこは納得をしています。」
「そうですか、納得が出来ているのならそれが一番いいんですけど。オーラに力がないから...本当に納得していますか?」
「.......困りましたね(笑)岩本さんが相手だと見透かされてしまうので(苦笑)」
そう言って力なく笑った
「中居さんがいるところではなかなか言いづらいでしょうから....遅い時間ですけど、少しお茶でも飲んで行きませんか?」
「大丈夫です、と言いたいとこですが、お話しておいた方が良い事ですよね」
「そうですね、大事な事ではありますけど。無理やり聞く事でもないですから....」
「稲垣さん、蓮伽さんがそう言う時は意味があると思うので上がってお茶、どうぞ」
深澤くんに促されて稲垣さんも一緒に中に入った
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます