第33話 求めあう始まり~出張1日目・車の中

————————歩きながら思い出していた。





キスが気持ち良すぎてしまってカラダが記憶を留めている。

欲しくなってしまう、深澤くんの唇。

・・・もう私たちは自分たちを止めない、多分。


きっと、あの二人は【私たち】だ。

現代ではないところで、出会っている。

そう考えると、記憶のパズルが埋まってしっくり感がある。






————————車の中で僕は凹んでいた。





なんで、理性が利かない?今までこんな事したことなかったのに

蓮伽さんが相手だと、止められない。

何度も何度も欲しくなる。

僕は、どうにかなったのか?

・・・・それでも、それでもいい。

蓮伽さんの全部が欲しい。

全部が知りたい。




あの、男性は僕だ。これは確信に近い。

話さなければいけない。


何より、我慢しないといけない。



出来るだろうか....ガマン。




「お待たせ。」





通常に戻った?フリをした私たちは、

触れたら抑えられなくなる欲望をこらえながら

とりとめのない話をしつつ空港へと急いだ。

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