第八章 仕事とキスの狭間で

第32話 仕事<私情 のもつれ~出張1日目・車の中

「迎えに来るとは思わなかったよ。言ってくれれば途中で待ち合わせで良かったのに。」


「あはは、サプライズです(笑)スイマセン」


「意外と行動的だね。見た目的には奥手そうなのに。」


「奥手(笑)。合ってますよ、奥手です。てか、苦手です、積極的行動。」


「そう?昨日の事といい、奥手には見えないけど☆」




自分で、話を振ったが恥ずかしさのあまり次の言葉が出なかった。



「.....自分でもわからないんですが、なんかレンゲさんのこと考えると、

胸がドキドキを通り越して....痛いんです。狂おしいというか、

突き動かす衝動が強くて。」




「あの、、、、、朝から恥ずかしい。」



「(照)僕も恥ずかしいですけど...話しを振ったのはレンゲさん(笑)。」


「.....そうね。失礼。」





「パーキング寄って、飲み物買ってもいいかな?」


「買わずに乗っちゃいましたもんね、高速。」


「そうなの、ちょっと喉乾いちゃったから。」





パーキングに寄ることにした。

車が止まり、外へ出ようとした時だった。







深澤くんの腕が伸び、私の腕を掴んだ。



「待って。」





「?何か、他に欲しいもの.......」





引き寄せられ唇を塞がれた。





「あっ...........ん。」





朝から、激しい官能的なキス...。





「もう、、ダメだ。理性が利かなくて....。蓮伽さん..」

囁くように呟き、また唇を重ねる。



「...........ん...。」

気持ちが良くて、思わず声が漏れる。



「蓮伽さん.......。」

私を呼ぶ、切ない声。貪るように求める唇...

「もうこのまま、どこかへさらってしまいたい、二人だけで過ごせる場所へ...」




深澤くんの言葉と共に、フラッシュバックのように一瞬、映像がちらつく。

『.......二人で、二人で逃げよう。もう、離れたく...な..』





(な、なに今のは・・・・・・)

<今のは、、、、、何?>





目を見合わせた。



「もしかして、見た.....?」

「......見ました、二人で逃げようって、離れたくないって、、、、ですよね。」




(あの、フラッシュバックのような映像の男性は・・・・深澤くんなのかもしれない。

やっぱり母ちゃまの言った通りなんだ。彼は?彼はそれに気づいてる...?)




二人は、甘い時間から解き放たれ、我に返った。





「なんか、ごめんなさい。

恥ずかしげもなく、こんなに求めてしまって...止められなくて。」




どうやら、理性が戻り恥ずかしさでしょんぼりしている。



「私の方こそ....年甲斐もなく、すごく欲情しちゃった。」

「そ、そんな事、言わないでくださいよ、また求めたくなってしまう。」

「.....ゴメン、ゴメン。気持ちに正直になりすぎてしまった。・・・・ところで」

「・・・そう、今の二人同時に見てる・・よね。」



今回は初めてだった。

確実にシンクロしている。



「とりあえず、飲み物買ってくる。」

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