第24話
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その年の10月14日。
私は無事に薩摩に帰り着いた。
船旅が多くて大変だったけど、久々に踏む九州…そして薩摩の地に自然と顔が綻ぶ。
「御上様…!お帰りなさいませ!」
「姫様の御帰りだ!」
「めでたい!!」
薩摩にある父・義久の居城…内城。
その門を潜ると、家臣達が目に涙を浮かべて出迎えてくれた。
「姫様…!!」
一人の侍女が泣きながら駆け寄ってきてくれて、私も駆け寄る。
「志乃!」
志乃は私の1つ歳上で、幼い頃から仕えてくれている。
何でも話せる親友のようで、姉のようで。
「志乃は…!京までお供しとうございました…!申し訳ありませぬ…!」
上洛を命じられたとき、親しい侍女を連れて行くことを禁じられた。
それでも、私はほっとした。
もし、京で何かあったとき。
…志乃の身に危険が及ぶより、薩摩にいてくれたがずっといい。
「元気そうで何より。会いたかった…!」
私の無事を喜んで泣いてくれる侍女がいること、ただ幸せに思った。
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