第34話

すぐに離れた熱が、ジリジリと唇に残って纏わり付く。



「何だか語が寝てる傍で夜ちゃんとこんな事するの、背徳的だね。」



相手の指先がそっと私の髪を撫で、毛束を掬い取った。


毛先に、首筋に、頬に、鼻先に。順に口付けを刻んでいく彼は、唇が触れる寸前の距離で一時停止して小さく言葉を溶かした。



「夜ちゃんがえっちなのが悪いよ。」


「んっ…。」



言葉を返す猶予はなく、綴の唇に全てを封じられる。


鼻から抜ける息と共に、自分のとは思えない甘ったるい声が漏れた。



腰に這わされていた彼の手が、腹の括れ撫でて私の胸の膨らみを覆ってしまった。



「あっ…待って…。」


「夜ちゃんって感度良いよね。」


「つづ…り……っっ…。」


「そっかぁ、夜ちゃんをこんなにえっちにしたのって僕達だもんね。」


「ぁあっ。」



鎖骨を噛まれた途端、電気が走る様に躰の奥がゾクゾクする。



「ほらぁ、腰動いちゃってる。僕を欲しがってる夜ちゃん可愛い。」




服を捲られ、下着のゴム紐を潜った手が直に秘部に触れた。


生理的に溢れた液を綴が指先で絡め取って弄ぶせいで、厭らしい水音が耳を掠める。

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