第29話
「まっ、落ち込むんはそれくらいにしといてゲームしようや?ほら、山崎と成宮も。」
名倉君がそう言って兄ちゃんたちの腕を引く。
「いいよ?どのゲームにする?」
爽やかな笑顔を浮かべて、名倉君にそう言い返す兄ちゃん。
なんだよー!ムカつくなー。
人が落ち込んでるのに余裕綽々な態度取りやがってー!
「すみません。」
そう心の中で兄ちゃんに悪態をついてたら急に女の子に声を掛けられた。
透き通った綺麗な声。
黒髪で目が切れ長の日本人形みたいな綺麗な女の子。
クールビューティーってやつ?
セーラー服がちょっとミスマッチだし。
「私、ずっとあなたのことが好きだったんです。初めて見た時から私の中で王子様で……。」
俺の視線に怯むことなく、その女の子は頬を押さえてそう一気に捲し立てる。
兄ちゃん達も歩みを止めて女の子に視線を向けた。
美優ちゃんなんて、すげー複雑そうな顔してるし。
王子様って兄ちゃんのことだよな?
複雑だろうなー。美優ちゃん。
「大好きです。私と付き合って下さい!
……名倉さん。」
「「「名倉っ!?」」」
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