第8話

兄ちゃんに勝てないって……。




それってつまりはアレやんな?




「まさかと思うけど、拓真君の好きな女って……」




「うん。美優ちゃん。」




恐る恐る聞いた俺に拓真君はあっさりと認めた。




「……そうか。」




叶わん…確かにそやな。




成宮は山崎に溺愛やし、山崎は成宮にべた惚れやし。




入る隙なんて無いに等しい。




それにあの2人にはラブラブで居って欲しいしなぁ……。




応援するなんて軽口叩くんやなかった。




簡単には選べん。




「なんて、嘘ー!本気にした?」




そう言ってやんわり笑う拓真君。




嘘って言うてんのが嘘ってバレバレやし。




顔ひきつってる。




「何やねん。嘘かよ!ホンマかと思って焦ったわ。」




気づいてないふりして、拓真君の頭をガシガシ撫でたった。




泣きそうな顔しやがって。




……可愛いやんけ。

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