第6話

「俺さ、いつも女と間違えられるんだ。初対面の人とかさ……。」




そう言って力なく笑う拓真君は本気で落ち込み気味で。




俺も確か初めて会った時にそんなん思ったなー。とか思いだした。




まぁ、今も思ってるわけやけど。




「そんな細かいこと気にすんなよ。別にええやんけ。」




って、1番気にしての俺やん。




そう自分で自分をツッコミつつ、拓真君にニッと笑い掛ける。




でも、拓真君はそんな俺の笑顔に応えずにため息を溢して机に体を伏せた。




「俺、好きな子いるんだー。」




どこか辛そうに目を閉じる拓真君に胸がチクッと痛む。




それは、辛そうな拓真君に対してなのか俺の気持ちに対してなのかは解らんけど……。




「好きな子?」




そう聞いてみた。




辛いなら相談くらい乗ってやりたくて。




「うん。かなり好き。でも、俺の片想い。」




そう言いながら拓真君は、本当に辛そうに笑う。




「告ればええやん。」




べたやけどそう言った。




拓真君みたいなイケメンに告られたら2つ返事でOKやと思うし。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る